いで×のん 冒険しない日記

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低気圧の気圧

 久しぶりにブログ書いたと思ったら、ゲームに関係のない話題ですみませんw

 

 台風22号から変わった温帯低気圧、温低化後の再発達がかなり激しく、気がついたら936hPaまでなってました。

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(出典:気象庁ホームページ「天気図」)

 台風22号自体は、先日の21号と同じようなコースをたどったためか、大雨はもたらしましたけども21号ほどは発達することもなく、台風としての生涯最低気圧が975hPaでした。

 その気圧の遷移を書き記しておきますと。

 29日18時:975hPa

 29日21時:985hPa

 30日00時:980hPa(温帯低気圧化)

 30日03時:972hPa

 30日06時:962hPa(近くの別の低気圧と一体化)

 30日09時:952hPa

 30日12時:944hPa

 30日15時:936hPa

 30日18時:936hPa

 

 まだ30日21時以降どうなるかわかりませんけど、さすがにそろそろピークかなと思います。とはいえたった18時間でおよそ50hPaも発達してますので、これはかなり強烈な部類の発達に入るかと思います。

 理由はわざわざ説明することもないと思いますけど、台風がもたらした熱帯の湿った暖気と、シベリア方面からの低気圧後面から入ってきた(この時期として強めの)寒気が合わさり、ここまでの発達をしたと考えられます。

 

 日本のかなり近海で936hPaというのもかなり気圧の低いものですけど、ここまで発達すると、台風であっても温帯低気圧であっても、地上の観測施設で最低気圧を測定することは難しいです。天気図も書いてますけど、気圧については推定としか言えないところもあります。もちろん精度はそれなりに高いですけど、どの国の観測機関かによっても数hPaの誤差は出てきたりします。

 

 例えば台風の940hPaと温帯低気圧の940hPaとでは、性質は全然違います。どちらも強い雨と風は伴いますけど、台風(熱帯低気圧)は中心に近いところのほうが気候変動が激しく、温帯低気圧の場合は中心が遠くても、暖気と寒気が交わるところ、特に寒冷前線付近がいちばん気候変動が激しいです。同じ低気圧でも「生まれ持った性質」が大きく違うためですけど、話が長くなるので説明は割愛します。

 

 それでは、今まで観測された最低気圧はどのくらいなのか…ということですけど。話が大変なので日本の近く(北西太平洋)に話を絞りますけど、台風(熱帯低気圧)で記録された最低気圧は、1979年台風20号で記録された「870hPa」と言われています。

 その後、巨大台風がいくつも発生しているのに記録が更新されていないわけですけど、この時の台風197920号というのは、まだ飛行機による観測が行われていた時代です。要は台風の目の上を航空機(この時は米軍の観測機)で通過しながら観測してたころです。

 台風が一番発達するのはもちろん海の上ですけど、地上に観測機器があっても、まず気圧は測定できません。船では荒波に耐えられませんし、仮にたまたま島の上を台風が通過したとしても、900hPaクラスの台風はあまりの暴風雨で観測が困難です。あのあたりで観測機器がある島というと南大東島とか父島とかグアムとかがありますけど、それよりも小さいサンゴ由来の島だと、台風で島自体が荒波に水没することもあるわけです。

 その筋のマニアには語り草の台風200612号(IOKE)という台風があるのですけど。この台風、ハワイ近海(だいたい西経160度あたり)で生まれて、そのまま延々と日付変更線をまたいでもなかなか北上せず、東経145度くらいまで日本に接近したという台風で、観測史上でも極めて稀な台風なのです。道中は普段ほとんど台風の通らないエリアで、途中でグアムよりもっと西にあるウェーク島(米軍施設などあります)とか南鳥島とかがあるのですけど、そのどちらも全島民避難したというくらい。実際に観測機器も被害を受けて、まともには観測できなかったそうです。

 なお、普段はアジア向けにあらかじめ決まった名前を振る台風名なのですけど、日付変更線をまたいだ場合のみ、アメリカ側でつけられた台風名を引き継ぐという特殊ルールがありまして。でもこれが適用されるケースは数年に一度くらいしかありません。

 

 で、台風の飛行機観測も今はほとんど行われなくなっているので、結局は「推定」だったりします。この手法をドボラック法と言いまして、要は気象衛星の雲の形や動きを見て体系的に判断するってことです。

 ただ、このドボラック法にも限度はあります。何となく雲が渦巻いていただけの台風がある日急激に目がハッキリ見えてくるようになると、気圧の発表も突然急激に低くなるなど、何となくムラを感じるのはたしかです。また、大半の台風をドボラック法で測定するようになってからは、900hPaを切るような強さの台風はなかなか出現しなくなっています。あくまで「過去の事例からの推測」であるがゆえに、事例の少ない猛烈な強さの台風への判断の限界が見え隠れする部分です。

 今はひまわり8号のおかげで、気象衛星の撮影は最短2.5分おきに出来るようになりました。特に台風については、該当エリアだけを特別な監視体制で測定できるようになったため、このあたりの精度は徐々に上がっていくと思われます。ただ、エリアが限られるため、台風が同時に複数発生すると片方しか観測できない問題点もありますけど。

 

 ちなみに先ほどの台風197920号であった870hPaは、現状では台風だけの記録でなく、観測されている世界のすべての低気圧内の記録です。

 

 台風と比べると、温帯低気圧の印象は弱いと思いますけど、温帯低気圧も時々とんでもなく気圧が低くなることがあります。今回の936hPaも、日本近海では数年に1回、東南アジアからベーリング海あたりまでのアジア広域で考えても、年に1度くらいかなというレベルです。

 温帯低気圧は台風ほどの管理がされていないため、なかなか調べるのも困難なのですけど、北西太平洋エリアで一番気圧が下がったのは、2014年11月8日にカムチャツカ沖のベーリング海で発達した低気圧の「920hPa」と言われています。

 

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(出典:気象庁ホームページ「日々の天気図」2014年11月より)

 

 数日前からの記録も合わせて載せました。8日朝9時の天気図で、右上で924hPaになっている低気圧がそれですけど(このあと15時の天気図では920hPaになってました)、元はと言えば3日ごろから天気図で見えている台風20号由来の低気圧です。今回にも当てはまりますけど、特に秋ごろは「発達した台風の北上+シベリアからの寒気=爆弾低気圧」という図式が成り立ちます。

 なお、この時は「もと台風20号が再発達で920hPa」となったわけではなく、具体的に7日の天気図で見るとわかるのですけど、もと台風20号は複数並んだ低気圧のいちばん下で、このあとそのすぐ上の低気圧が急速に発達して、もと台風20号はその発達した低気圧に吸収され消滅してしまった、という図式になっています。

 

 そういう意味で、今回の台風22号も、再発達したというよりかは「もうひとつの低気圧が発達して吸収された」と見えなくもありません。最終的にはしばらくしたら気象庁側でまとめるようですけどね。

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